「い・ま・こ・そ憲法 連続憲法講座2016」第1回の報告
2016年3月26日 愛知憲法会議他主催の連続憲法講座2016があり、参加してきました。
参加者は50人弱だったでしょうか。
大人に交じって若者がチラホラの会場でした。
第1回は「トークセッション 若者と考える『民主主義』ってなんだ?」というテーマのもと
3人の若者をゲストに迎え、「民主主義」についてのトークセッションでした。
SEALDsTOKAIで活動をしている三重大学院生の東海さん、
名古屋わかもの会議に軸足を置きながらも色々な活動に取り組んでいるという
愛知教育大学1年生の西脇さん、
彼女は高校生の時に政治に対して「何かおかしい」と感じ
夏休みに50冊以上の参考文献を読破し論文を書き上げたという cuteなツワモノ。
もう一人はDemosKratiaで活動をしている名古屋大学院生の村田さん。
それぞれ若さと行動力と頭脳とオシャレさを持ち合わせた魅力的な若者たちでした!
講座はまず、コーディネーターの本秀紀先生(名古屋大学)の導入としてのミニ講座から始まりました。
先生は、昨年初夏から盛り上がりを見せた安保法制に対する反対運動を
「新たな民主主義の胎動」であるとされました。
一般的な解釈である「独裁(安倍政権)vs民主主義」だけではなく
「代表民主制万能論vs国民の声を反映した政治」という
民主主義観をめぐる争いでもあると指摘されました。
そして特筆すべきことはこの「国民の声を反映した政治」をリードしたのが
若者であったということだということです。
(参考)SEALDsKANSAI 寺田さんの7月15日の街宣演説。
本先生によれば、この演説がエポックメイキングになったのではということです。
そして先生は何度もこれをみて感涙した!とのこと。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=Gu7zNMKYXts
先生はこうして新たに動き出した「民主主義」を更に以下の視点から分析されました。
①民意の反映のさせ方、捉え方
現在の姿である「代表民主制万能論」(極端に言えば、選挙で選ばれているんだから
自分たち(議員)は何でも決めることができるという考え方)に対抗する
(SEALDsに代表されるような)「路上の民主主義」
②路上の民主主義の位置づけ
カウンターデモクラシーとしての「路上の民主主義」なのか、
或いは全員参加の民主主義と捉えるか。
*カウンターデモクラシー(counter-democracy)とは
「デモや国民投票など、選挙以外の様々な方法によって、政府を監視・牽制し、民意を反映させようとすること。代表民主制を補完するものとして、2006年にフランスの歴史学者ピエール=ロザンバロンが示した概念。」
(http://dictionary.goo.ne.jp/jn/ goo国語辞書より)
従来の民主主義が変化してきたのではない、新しい民主主義が生まれたのだと、ミニ講座は纏められました。
30分ほどの本先生の講義の後、
若者3人が自己紹介を兼ねて今取り組んでいる活動について語ってくれました。
その後、会場から出された質問に答える形でのトークセッションとなりました。
出された質問は、
若者から見て今の「おとな」たちはどう映るのか、から始まり
若者の政治参加を増やすためにどんな方策があると考えるか、
また新しい民主主義を牽引している若者が社会に出た時、会社の中ではどうなると思うか、
などバラエティに富んだものでした。
やや抽象的で分かりにくい質問にも、3人は真摯な態度と自らの言葉で
考えを語っていたのが印象に残りました。
≪トークセッションのキーワード≫
対話
対立の重要性
民主主義のインフラ
自発的
強制された中立性
小選挙区制
選挙独裁
掛け布団から敷布団へ
2016年度の愛知憲法会議の憲法講座はこの第1回を皮切りに、
2回は「日本に求められる外交力」、
4回は「学問は戦争の武器ではない」、
5回は「貧困の連鎖を断ち切るために」、
6回は「どうなる憲法、どうする憲法」というテーマで行われるとのことです。
魅力的なテーマと講師陣、時間があればまた足を運ぼうと思います。
*愛知憲法会議